音源紹介⑧ 〜大枠のframingで勝負〜

今回はあんまり存在感のない2019年のワールズの音源を見ていきます。

このQFのOpening 2チームはめっちゃ上手い。

 

www.youtube.com

 

Motion: This House supports a norm of embracing anger in public discourse rather than one of aspiring to dispassionate objectivity.

 

これのPMを見ていきましょう。

 

1. Embracing anger is necessary to allow the oppressed to have their say

Premise: there are many good reasons for why people get angry

 

この最初のframing、いいですね。

政治とか社会に対するangerという感情はGovでもOppでもあるんだけど、Govの世界ではそれをvoice outできて、Oppの世界では無理矢理我慢させられるっていう比較に持ち込んでいます。

これだけでもだいぶGovの世界の方がよくね?と思えますよね。このframingは、1つ目のargumentだけではなく、2つ目のextremismのargumentの前提にもなっています。

 

そして、Minorityはangerでしかvoice outできないという話をしています。

一個一個のメカニズムの説明が必要最小限に抑えられててコスパがすごい。EPL感。

 

次に出てくるframingがOOとの関係で大事になります。3:16 あたりのところ。

selective application of tha narrative という話をしています。

Oppの世界では

When minority raise their concern, they are seen as violent and pushed aside.

By contrast, when the majority gets angry, their anger gets accepted (e.g. Trump).

このframingによって、

Oppではmajorityはangerを表現できるけどminorityはangerを表現できない。

Govでは、angerをembraceすることによってminorityもangerを表現できる。

 

PMが言っているのはこういうことですね。

  Govの世界 Oppの世界
Majority 表現できる 表現できる
Minority 表現できる 表現できない

 

 

なぜここまでこのframingを強調しているかというと、OOの考える比較軸と違うからです。

  Govの世界 Oppの世界
Majority 表現できる もっと表現できる
Minority 表現できない 表現できない

 

LOの最初の方で触れられています。(かなり説明の仕方が分かりづらいですが)

OOとしては、angerをembraceすると、Majorityがangerを表現しやすくなるだけでかえってもっと差別増えるやん!ということです。

なので、OG vs OOでどっちの世界の方がminorityを救えるかを考えるときに、細かいロジックで勝負が決まるのではなく、どっちのframingがより正しいのか、で勝負が決まります。

このディベートのDLO(YouTube上は削除されている)がFacebook上でディベート史上1、2を争うくらい良いスピーチと言われていますが、OOのframingの方が正しいと示してOGをボコボコにしていました。

 

2つ目のargumentはextremismの話も、どのみち政治や社会への不満は溜まっているからこそ表現した方がいいという話なので、最初のargumentと同じようなロジックですね。

 

3つ目のargumentは政治家の中でもっとminorityが増えるって話です。これは1つ目のargumentを違うimpactにして言い直した感がすごい。

 

ということで、このディベートにおいては、細かいロジックとかイラストで勝負が決まるのではなく、前述の大枠のframingによってどちらが勝つのかが決まります。メカニズム量産することに頭を使わずに大枠で勝てるスピーチをしたいですね。

このQF、DPMまではOGが勝ってるんだけど、DLOで全部ひっくり返されるって感じです。DLO録音公開してくれええ

音源紹介⑦ 〜クリエイティブなコンスト!〜

音源で言ってることをそのままパクる人がいます。でもより効果的な音源の使い方って、音源で負けてるチームがどうやったら勝てたかを考えることだと思います。

他人のアイデアを何も考えずにパクるよりも自分で頭使った方が当然ディベート上手くなりますよね。

ということで、今回は、超絶クリエイティブなケースを出したものの、上手く立てれず勝てなかったスピーチを観て、どう改善できるかを考えてみましょう〜

 

youtu.be

 

THBT the globalisation of art had done more harm than good.

 

このラウンドに勝ったのはOGですが、ここで見てほしいのはLOのスピーチです。

 

2つ目のargument (More liberal arts)はオーソドックスでまともなケースですよね。

今回注目するのは最初のargument。これがめっちゃクリエイティブで面白い。

 

ハリウッド映画とか観れると、英語力が上がって、仕事の選択肢が増える。

 

これに対するDPMからの反論は3つあります。

1) Causalityが違う(非英語圏ではdubbed 吹き替えされている)

2) Alternativeが沢山あるし、政府も英語教育を頑張るincentiveある。学校でもstoryとかで英語学べる。

3) 少しの英語力の差なんて、仕事の有無に影響しない。ある程度喋れれば仕事できる。

めっちゃMitigationして、自分達の話の方がより重要だって示してます。

※ただ1つ目は反論として微妙だと思う。LOの話はglobalised artを使って英語学習がしやすくなるって話なので、勉強したい人は吹き替えじゃない英語版で視聴するのでは?

 

強いのは2と3なんですけど、これに対するDLOの再反論が弱い。

States don't have incentives to invest in English education.っていう話をしてるんだけど、それは流石に嘘じゃん。。。Alternativeがある程度存在するっていうかなり直感的なDPMの話に対してこれしか返せないのは手痛いねぇ。

 

このディベートにおいて、英語学習argumentが機能しなかったのは、

LO段階のケースの立て方が雑 → DPMが良い反論してる → DLOから再反論が弱い

なので、若干英語力がOppで伸びるんだろうけど、そんな大事なimpactじゃねえなって感じで終わってます。

 

せっかくなので、このLOのケースをどう改善できるか考えてみます。ここら辺は英語を教えている人とかの方が上手いメカニズム思いつきそうですね。

まず意識したいのはcomparative。Globalisation of artsがなかったGovの世界において、英語ってどういう風に学びます?

1. States, particularly in developing countries, often lack resources to invest in English education.

2. Even if English education is sufficient, many students perceive it to be a boring task and, thus not motivated to learn.

3. Many teachers in local schools often don't speak English fluently and can't teach it well.

 

次です。alternativeが全然ダメダメ。じゃあOppの世界でなんで英語が喋れるようになるのか?適当な理由をつけてみます。

1. Art is uniquely engaging to students. Students, when they are immature, can't fully understand why and how English is important for their careers yet. Learning English from a very early age is super important because language acquisition becomes significantly harder as you get older.

2. It is in a far more digestible form. Unlike textbooks or lectures which require students to sit and study at desks, art can be consumed anytime, anywhere, with access to the internet.

3. Students now focus on training their listening skills, instead of reading-oriented textbooks. Reading and writing can be acquired afterwards but it's very difficult to train listening skills afterwards.

 

ここまでで、Govでは英語力ダメダメ、Oppでは英語力結構良くなる、までは示せました。

 

最後、DPMの3つ目の反論に対応する形になりますが、英語力ゼロ on Gov vs英語ペラペラ on Oppという単純な比較ではないですよね。Govでも多少は英語できるだろうし、Oppでもネイティブレベルになるのは非現実的です。

となると、イメージ的にはTOEFL 60点 vs TOEFL 90点くらいですかね。とにかくこの絶妙な英語力の差分が、どういうimpactになるのかの説明が必要です。

思い出してほしいんですけど、音源紹介③の記事で、サッカーの質の差がなぜ重要なのかを丁寧に説明してた音源がありましたね。ここでも全く同じ作業が必要です。なぜ同じ作業なのか、よく分かってない人は前の記事も読み返してみてね。

ここでの差分の見せ方は日本人ならやりやすいんじゃないかな。

日本人ってリーディングとライティングは結構できるけど、リスニングとスピーキングできなくて困ってる。だから、文科省とかも頑張ってるじゃん。具体的に仕事とか将来どういう苦労があるか、イラストするなりリストアップするなり、説明を考えてみてね〜

 

ということで、今日はここまで!

音源は受け身で聴くだけじゃなくて、自分で分析することがとても大事!

音源紹介⑥ 〜Weighingオタクになろう〜

Weighingが大事だ!って習ったことがある人は多いんじゃないでしょうか。

でも実際weighingしようとすると、どうすればいいか分からないですよね。

weighingが沢山使われている音源を2つ紹介したいと思います〜

 

www.youtube.com

 

Motion:  This house would replace "real world" prison incarceration with simulated incarceration, for people not sentenced to a life sentence.

Info Slide:  For the purposes of this debate, there exists a safe technology which can accurately simulate the experience of being in prison. A person within the simulation will experience the simulation as fully real, including time passing slowly as in "real life", while not interacting with others in the "real world". In reality, even a long sentence in the simulation will be done in a matter of days.

 

これのMGを観ます。

37:40あたりから、why is this a far stronger mechanism than OG? って説明に入っていきます。

 

1. Works for a far larger number of people

Most prisoners go through short sentences like a year or two. OG’s mech only applies to ppl with long sentences but our mechanism applies to everyone.

2. Alternative

Prison reform can work to solve the mechanism OG outlined, but our mechanism is about individual-specific problems with no systemic solutions.

 

加えて1つメカニズムを足してます。

政治家がシミュレーションを管理してるから、犯罪率増えたら政治家への非難が増える。だから、政治家へのaccountabilityが確保される。

さらにこれもweighingしています。

 

youtu.be

 

Infoslide: Multi-Speed Europe is a scenario where existing Member States in the European Union integrate at different paces, where certain Member States opt in doing more in specific policy areas, while others opt out.  This would not apply retroactively, so existing policies would remain unified, but new policies would be differentially adopted. These may cover policies such as defence, internal security, taxation or social matters.

MOTION: THS a Multi-Speed Europe

 

勝ったのはCGなんですが、これのOWを見ていきます。

 

最初の3分半はextensionのrebuilding、その後(57:50あたり)でThis extends over OO in 5 waysって説明に入っていきます。

rebuildingの中でweighing1個 + 5つ weighingがあったので、計6つです。

とはいえ、無駄なweighingとかほぼweighingになっていないものもあるし、そもそも個人的にはOOの話あんまり強いと思わなかったので、かなりオーバーキルだと思います。

 

一応おさらいすると、

OOの話 - ポーランドハンガリーなど、liberal policiesをopt outする国が出てくる

(プラス、power asymmetryの話もある)

COの話 - 他の国もEU legislationに従う必要があるというexpectationがなくなるので、collective action problemが発生し、EUの結束が弱くなる

 

1. OO’s mechanism requires policies not to get passed, but our mechanism doesn’t rely on that.

これはExtensionのrebuildingの中で話されています。

OOの話はliberal policiesを拒否する国が出てくることに依存しているのに対し、COのexpectationの話はliberal policiesが拒否されるかどうかに依存されないですよね。


2. Applies to a far greater context

 

3. Agnostic on the character of policies (i.e. OO depends on liberal policies being good).

 

4. More responsive to Gov

OOの話ってGovからこういう風に反論されているけど、自分のextensionにはGovからの反論が刺さらないよねっていう説明。

 

5. Engage on Gov's vulnerability analysis

 

6. The scope of CO impacts is bigger

 

こういうスピーチを聞いて、weighingの方法をストックするといいでしょう!

レクチャーを聞くとかよりも、具体例から覚えた方が身につきやすいと思います。

今日はここまで〜

音源紹介⑤ 〜PMからしっかり仕事する〜

BPって1時間あるし4チームもいるし、PMスピーチって存在感消えがち。

存在感しかない自己主張激しめのPMスピーチを見てみましょう〜

 

youtu.be

 

Motion: This house prefers a world where valourised national heroes in history are morally flawed instead of morally good.

 

これのPMスピーチ(6:21〜)です。

分かりやすいし、ケースめっちゃ強いし、こんなPMスピーチされたら頭抱えます。

 

こういうnarrativeというかsoftなモーションではcharacterisationがすごく大事です。

最初に沢山挙げています。

 

ホセ・リサール - フィリピンの英雄 but mysogynist and supported Spanish nationalism

リー・クアンユーチャーチル(ここら辺は有名ですね)

 

The process of attempting to defend moral goodness in a hero が悪い。

1. whitewashing

war crimes, having slavesとかを隠す

2. rationalisation

マッカーサー(原爆)とかを正当化する

3. demonisation to justify moral goodness

戦争で自分達は正義で相手は絶対悪だと決めつけることで、悪事を正当化する

 

このcharacterisationめっちゃ上手いです。

完全にmorally goodなheroなんていない。morally goodに描くってことはwhite washing, rationalisation, demonisationをする必要がある。

だから、exampleとかイラストではなく、構造的に相手の世界では上に挙げたような酷いことをしなきゃいけないと。こう言われちゃうと、反論がすごく難しい。

 

ちなみに余談ですが、これ全く同じanalysisを他の音源で聴いたことがあります笑

今は削除されているのですが、HWS Round Robin 2021 Grand Finalで、似たようなモーションのMO (LSEのクソ強い人)がextensionで出してた内容です。分析ほぼ全部一緒。本人に聞いたわけじゃないけど、多分それをパクったんだと思います() 上手いスピーチはパクってなんぼ。

※Bo Seoはパクるとめっちゃダサいです。

HPDU連盟杯2020 Grand Final : Shibuya vs. Tsukukoma 2020.3.23 - YouTube

ここのGWはかなりパクってて見てて恥ずかしい〜〜〜()

冗談です

 

脱線しましたが、ここまでcharacterisationした後にimpactに入ってます。

だいぶimpact大げさな気がしますが、このモーションに関してはGov Opp双方impactを大げさに盛るので今回は全然戦略としてOK

 

2つ目のargument (Entrenchment of political dynasty)は暇だったら聞いてみてね〜

 

このスピーチから学べることは、PMの段階でディベートに勝つために何が必要か。

スピーチの最初から強調しているFramingがとてもいいです。どんなnational heroも何かしらの悪事をしているんだ。だから、morally goodに描くには悪事を隠さないといけない。morally flawedに描くのはありのまま正直に描くことだ。

ここまで示せれば、直感的にGovに勝ちをつけたいですよね。Oppはろくでもない世界をdefendしてるなぁという印象をつけられます。

そこから、悪事を隠すってどういうことかを詳細にcharacteriseする(前述の3つ)。

その後、impactマシマシ。

しかもスピーチには大量のexampleとイラストが散らばってる。現実世界のexample・イラストに基づいている話を「それ存在しない!」って反論するのは不可能です。

 

ここまでされると、Opp的には相当嫌だし、CGだったら汗すぎる汗汗。

(面倒だったのでOG以外のスピーチ見てません笑 見た人がいれば感想教えてください!)

ということで、このPMすごい上手かったですね。絶対対戦したくない。頑張って参考にしたいですね!

音源紹介③ 〜ジャッジに文句を言わせないスピーチ〜

1つ記事書くのに10-15分なので、あと数日は連続で更新できそう。

せっかくなので、最近聴いたつよつよスピーチを紹介します。

 

youtu.be

 

Motion: THBT European football leagues should require teams to include a minimum of five domestic players in their starting line-up.

 

これのMOスピーチ。

 

Extensionの内容は This lowers the quality of football.

サッカーの質が下がる。

 

このextensionでは何を証明する必要があるか?

このモーションって実質Affirmative actionなので、サッカーの質は下がるんです。だけど「どの程度」質が下がるんだろう?っていう疑問は残ります。

ここで、質下がるって雑に説明しちゃうと、ジャッジがOAで、hmmm we understand your point but we didn't get why the delta is big hmmm this seemed like a small impactって言われちゃうわけです。なので、質が下がるmarginがかなり大きいってことを強調する必要があります。

 

スピーチ上は3つ説明がされていました。

1. ドイツとかだけじゃなくてギリシャ、オランダみたいな国内にすごい選手があんまりいない国もcontextだよね。

2. チーム毎に、ポジション毎に必要なスキルって変わるよね。1つのポジションに上手い人が欠けるだけでチームのパフォーマンスが格段に下がるよね。

3. 海外選手のplayer developmentが減る。スカウトすることがリスクになるから、ヨーロッパ外でのacademyとかも減る。

この理由づけ上手いなぁ。このモーションによって質がかなり下がりそうって納得できますよね。

 

これに対してはOGからPOIが来ていました。

OGは、現状local playerに投資しないcollective action problemが起こっているから、このモーションによって、local playerに投資が向かってめっちゃ上手くなるんだと。

 

これに対する返しがめっちゃ良い。

スポーツ選手って生まれながらにあるNatural talentがすごい大事だ。

Nature vs Nuture (才能 vs 教育)でいうと、OGはnutureしよう!って言っているけど、natureが結構重要な要素だよね。

これはかなり直感的かつ有効な返しだと思います。実際、いくら努力しても才能には敵わないことってよくありますよね。

才能が大事だからこそ、国内プレイヤー制限をせずに実力が強い人をどんどん育成・採用しようってことですね。

ちなみに、OGのこの話は、OWのところでさらにタコ殴りされてます。OWの反論も上手くて笑っちゃった。

 

質がめっちゃ下がるって証明されたので、あとはimpactするだけです。

まず、「質が下がってもどのみちサッカー観るくね?」ってジャッジに突っ込まれるかもしれないですよね。

こういう文句を言われないためにも、丁寧にイラストしてますね。

Quality does make a difference.

すごい試合観ると興奮するじゃん!って話をしていますね。ロジックを入れているわけではないのに、イントロも含めると1分使ってますよねここに。それは、このextensionが説得性を持つ上で大事な要素だからですね。

 

イラストでファンにとっては質が大事という話をした後で、Impact 3つ出てます

1. fanにとって悪い

OGのidentityの話とweighingしながらimpactしてます

2. smaller countriesのリーグ消滅しちゃうかもしれない

3. EU外のサッカーリーグも人気減る

 

ということで、このスピーチ、分かりやすいのもそうなんだけど、ジャッジが文句言いそうな部分をちゃんと埋めて、「assertionじゃないぞ」「ちゃんと評価しろよ」っていう圧をめっちゃ感じるスピーチでした。

 

ジャッジにAssertionだって言われないために、スピーチに強弱をつけることって本当大事ですね。

今日はここまで!

 

 

音源紹介② 〜自分の世界観を作る〜

人間、すごすぎるスピーチを見ると、はぁってため息をつくものですね。強すぎて面白いスピーチとかもあるけど、これは面白いを越して呆れちゃう。

 

youtu.be

OG: WSDC Hong Kong HL
OO: Zagreb A (Lovro got replaced for not prepping enough)
CG: Sheffield A
CO: IBA DU A
Motion: This House Believes That Black Lives Matter should closely integrate the black church and elements of black liberation theology (the narrative that liberating the oppressed is the core of Christian doctrine) into its organisational structure and doctrines.

 

これのLOです。

 

最初のframingからえぐい。

相手のケースがlargely symmetricalだって。

要は"closely integrate...into its organisational structure and doctrines"せずとも、保守的で宗教的な地域では独自に宗教色強いメッセージ展開してますよ。このモーション要らんですよってことです。

この話はもっとDLOで詰められてます。こんな反論されたら泣いちゃう。

 

次にblack liberation theologyのcharacterisation。

Oppとしては、これをできるだけ悪く描きたい。良い考えならBLMが採用する方が良さそうだもんね。Most American people don't like this ideaというcharacterisationをしたい。

スピーチでは、black liberation theologyの定義、というか特徴を2つ挙げた上で、なぜアメリカ人に不人気なのかを説明しています。

特徴2つ(economic marxism, Christian ideals were corrupted by the white majority)

→ seen as radical communism, condemned as an "attack on American faith"

 

なんで大事かというと、SQのcontextでBLMへの支持が増えている、radicalじゃなくてmainstreamとして認められ始めている

そんな中で、こんなradicalなことしたら、今までの努力が水の泡だよ…!ってことですね。

以上が1つ目のargument。

 

次に2つ目のargument。

BLMはheterogeneousですと。異なる意見、価値観を持った人が集まってBLMが形成されている。

People have different interpretations of what police should do.

これがSQなんだけど、モーション取るとblack liberation theologyという単一の教義を強制されちゃう。

じゃあなんで多様な意見が存在した方がいいのかというと、impactが2つ説明されていて、

1) catharsis 

2) more support

具体的にはblack muslim individualsとかatheistsとかがBLMをアクセスしづらくなる。

 

CGのPOIへのresponseも面白いですね。

"useless POI"

まあ実際uselessではあると思います()

 

最後、principle argument。

これは要らなくね、と個人的には思います。

絶対winning caseじゃないやん。logicも怪しいし。

ここはマイナスです。せっかくいいスピーチなのに。はぁ

 

んで、じゃあこれの何が良いかというと、(OGのケースを全然覚えてないので違ったら申し訳ないですが)特にframingとcharacterisationだと思います。

一個一個のlogic自体はそんなに高度なことをしてないです。

Radical messaging leads to less support とか当たり前の話ですよね。でもこの当たり前のnoviceでも言える話の説得性を上げるのは、相手の議論をかき消すframingと、black liberation theologyはこういうものだという丁寧に説明されたcharacterisation。プラス、細かい説明に散りばめられたイラストや例示。

こういう風にスピーチ全体で世界観を構築されると、反論するのがすごく難しい。

真似したいけど、むずい〜〜〜

音源紹介① 〜美しいスピーチしたい〜

以前宣言した解説記事の作成が面倒になってしまって、全然更新できていません。

Criminal Justiceの解説記事はいずれ出します。頑張ります。

 

ちょっと書くのに時間かかる記事は後回しにして、音源紹介の記事を書いていこうと思います〜

有名な音源についてガチで解説するというよりは、ちょいニッチな音源でこのスピーチ上手くね、このスピーチすごくね、って思ったことをそのまま書きます。記事自体はすごい短いけど、頻繁に更新したい…!

 

最初に紹介するのはこれ!

www.youtube.com

Motion: This house prefers a world where religious beliefs and teachings are not codified into scripture or doctrine.

OG: TCD Hist PW (Naomi Panovka, Daniela Williams)

OO: Zagreb PT (Paula Djaković, Tin Puljić) (progressed)

CG: Oxford (B)arbie Boy and Oppenheimer Girl (Aidan Woo, Elena Radulescu)

CO: Less stoicism motions than Astana 2021 (Biser Angelov, Maria Matcheva)(progressed)

 

結構前に聴いたのであんまり詳細には覚えていませんが、LOが上手かった気がする。

ただここで聴いて欲しいのはMOのスピーチです。

COのExtensionは、宗教団体がでかい方がより多くの貧困層を救える!というシンプルケース。ここで注目して欲しいのは立論の組み立て方です。構造がすごく綺麗。

 

まず、Introがあり、その後に

We have to prove two things: 1) why there is asymmetrical centralisation and bigger religious organisations on our side 2) why we have a higher capacity to have more money to help more people in disprivileged backgrounds 

 

このargumentのburdenはこれですよ ってジャッジに最初に示してあげてるのすごくいいですね。

 

んで、1つ目のburdenについては、Oppの世界ではcentralisationがあって、Govの世界ではfragmentationが起こるって説明していますよね。

Govの世界とOppの世界のComparative両方示せていています。片方じゃ足りない。

 

2つ目のburdenについては

宗教団体のincentiveはwashだ。宗教団体はどのみち信者を増やしたいやん。

(とはいえPOIへの返しで貧困層を助けるincentiveも増えるって言ってるけどね)

ここの部分、Govが強調しているincentiveの話をフレームアウトして、自分達の話に持っていってる感じ、コスパがいいですね。

 

incentiveはどうでもいいんだけど、じゃあ何が大事なのか?

大事なのはcapacity…!

capacityについては、宗教団体を維持するための最低限必要なコストがある。そこから先のコストはどこに行くかというと貧困層の援助に行く(信者を増やすため)。所謂proselytisationってやつですね。

そこからcentralisationによってどうcapacityが増えるかを細かく説明しています。このメカニズムのところも、economies of scaleとかよく出てくる分析を、このモーションのcontextに合わせて詳しく説明していますね。とりあえずよく使うメカニズムをコピペするんじゃなくて、このディベートでの具体的な話として展開されていて、反論されづらくなります。オリジナルトッピングをつけるイメージ。

 

最後、why is this unique?

政府とか民間のcharityじゃ貧困対策不十分で、宗教団体がやることが素晴らしいって話。

これはburdenではないですよね。要はここの話、なくても大丈夫ですよね。政府とかが貧困対策頑張ってたとして、さらに宗教団体も頑張ったらbenefitあるやん。

でも、他の機関が一切貧困層に見向きもしない中で宗教団体が頑張れば、impactでかいですよね。

なので、この部分のスピーチは、立論には必要ではない。でも、あった方が立論が強くなる。

 

まとめると、構造はこんな感じ。

  • 2つburdenがある
  • 1つ目のburden
    • Oppの世界ではcentralisation
      • first mover advantage, authority derived from codification
    • Govの世界ではfragmentation
      • opportunistic motives, scandals, incentives to fragment the organisation
  • 2つ目のburden
    • incentiveはwash
    • 大事なのはcapacity
      • economies of scale, less competitions with other religions, more politically preferential treatment
    • Weighing: ppl being alive is the most important thing
  • 最後、impactがunique
    • secular organisationsの資金は不安定
    • government doesn't have political incentive

 

これが広瀬すずみたいなスピーチです。

こういう構造化された綺麗なスピーチできるよう頑張りたい。

この記事書くの10分くらいなので、これなら定期更新いけるかも、、、??