Argumentの考え方は2パターンあるのでは?
以下、最近思ったことを書くだけなので、テキトーに読んでください。
argumentを思いつく時の脳の使い方って2パターンな気がします。
一つ目は、自分の世界観を作ってからモーションに繋げるパターン。
二つ目は、モーションから思いつく分析から世界観を作っていくパターン。
世界観って曖昧ですよね。
具体例出します。
ABP R2
The Golden Triangle is a hotbed of criminal activity at the border of Laos, China, Thailand, and Myanmar. It is one of the world's largest drug trafficking corridors both into and out of China, hosting scam centers, illegal gambling operations, and human trafficking dens. Most illicit activity is centered in a Special Economic Zone protected by Laos' government where large organised crime groups from Mainland China are allowed to operate casinos, some of which are rumored to have ties to high-ranking CCP officials. The Thai army polices the border both to curtail crime and to secure its territorial claim.
THBT China should use violent force to crackdown on organised crime in the Golden Triangle.
CGでした。ちなみに、Golden Triangleという単語は初耳でした。
Drug tradeがテーマだったので、drug tradeってどんな感じなのか、から考えました。
メキシコのdrug tradeのイメージだと、drug tradeって信じられないくらい儲かるので、沢山の麻薬カルテルが抗争をしていて、カルテル間の抗争が過激化し、ほぼ軍隊レベルの軍事力を持つカルテルが争い合って大量の人が死んでる、という感じ。
麻薬消費が増えると困る、という話も出来ますが、もう少しimpactが欲しかったので、この世界観を元にモーションと繋がったargumentを立てようと思いました。
結局出したextension(2つのうち1つ)としては、Stopping inter-cartel violence
SQは inter-cartel violence (with reasons why it's happening)
CCPがcrackdownを始めると、
1) CCP will destroy all the cartels
2) Even if not, cartels have incentive to stop flighting and collaborate as they see CCP as the common enemy
という話を出しました。
もう一つ例。
秋T R4
Depressive Realism is the hypothesis that depressed individuals make more realistic inferences than non-depressed individuals, and consider non-depressed individuals' appraisals are positively biased.
THS Depressive Realism as a coping mechanism.
COでした。このモーション、COしんどかった、というか秋T全体的に苦手なモーションばっかでしんどかった()
Depressionについてあまり知らなかったので、頑張って記憶を辿ってdepressionってどういう感じか、想像しようと頑張りました。
なぜか唯一思い出せたのが、Suits(弁護士ドラマ)のワンシーンで、Harvey Specterがセラピストに相談してる場面でした。Harvey Specterは幼少期に母親が浮気した場面を目撃してしまい、母親から口止めされた経験があり、それがトラウマとなって家族との関係が悪くなってました。セラピストに相談に行ったとき、Harveyは職場のLouis Littを責め立てて、家族との話を話そうとしませんでした。
このシーンからどういうケースが思いついたかというと、depressionを治すにはちゃんと診察が必要だ、ということです。患者の言う話を信じるのではなく、depressionの原因は何かを掘り下げることが重要だと言う話をCOでしました。多少時間かかったとしてもOppではdepressionのsolutionに近づけるし、状況の改善につながるというcaseです。
逆の脳の使い方として、モーションから考える方法です。
具体例です。ABP R6
THBT the international community's attempts to ostracise Israel have done more harm than good.
OOでした。色々な面で良いモーションではないですが、例としては分かりやすいのでこれを使います。
このモーションのワーディング見て注目すべきは"ostracise"です。すごい強い言葉ですよね。
だからこそ、"ostracise"する必要があることがburdenになります。なので、示すべきこととしては
1) ostracise しないCounterfactualは最悪
2) ostracise すると効果的
の二つです。
問題は、最終的なimpactをどう落とし込むか、ですが、"have done more harm than good"と現在完了形になっています。つまり、Oppは今現在の状況をdefendする必要があります。
現状を見ると、ネタニヤフは暴走してイスラエルはガザでジェノサイドをしているので、「イスラエル抑止」を最終的なimpactにするのはスマートではありません。
なので、impactの落とし所としては、パレスチナ支持をメインにする方が戦略的です。argumentにするとこうなります。
Counterfactualではパレスチナが非難される或いは多くの人が情勢に無関心になる。一方、ostracise することでパレスチナが被害者だというnarrativeを広めて、aidや人道的支援を増やすことに繋がる。
このように、モーションを出発点としてargumentを思いつく方法が2つ目です。
個人的には、この両方の考え方を使い切れた時は良いケースが出せる気がします。
最近殆どの大会の決勝で負けているので、もう少しまともなスピーチをしたいなと思います。がんばるぞおお(だからといって練習はしませんが)
BP戦略 Part 4 (UTDS合宿用資料)
BP戦略 Part 4です。
やはり、皆さんの最大の不安はExtensionどうするかだと思うので、以下僕が適当に作ったラウンド想定でextensionを考えてみましょう〜
練習1 (CG extension)
THW ban the production and consumption of meat.
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OG: Animal rights case
Alternative food production
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OO: Humans matter more than animals
Farmers would lose jobs
Meat has cultural significance
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CG: |
CO: The life animals go through in the wild is much more abusive than one in livestock farms
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練習2 (CG・CO extension)
This house would only allow university admission on the basis of standardized testing (e.g. SAT, gaokao) as opposed to non-quantitative methods (e.g. essays, interviews)
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OG: Standardized testing is far more accessible to students
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OO: Non-quantitative methods are far more holistic and better assessment
Non-quantitative methods allow for more representation within universities
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CG:
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CO:
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練習3 COならどうプレパする?
THO the recent rise in distrust of state institutions.
BP戦略 Part 3 (UTDS合宿用資料)
Part 3!
Whipから勝つ戦略
Whipスピーチ、どんなstructureにしても自由ですが、よく使われるのは以下2つ。
1. Issueごとに分ける
Intro
• Calling out sneaky stuff from the other side
• Strategic commentary
• Clarifying characterisation/contextualisation
• Organising the comparative
Issue 1
• Issue 1 is the winning issue
• Your teamʼs claim
• What the opponent said and rebuttals against them
• Weighing
Issue 2
• Your teamʼs claim
• What the opponent said and rebuttals against them
• Weighing
2. Teamごとに分ける
そのままです。各チームごと、反論と自分のextensionの比較。
よくある誤解として、Whipは反論すべきと言われますが、ガムシャラに反論するのは時間の無駄です。
Whipとしてすべきことは、
1) 相手への反論
2) 自分のextension vs 他チームのケース の比較
ですが、反論で他チームのケースを削ることで、自分のextensionを比較しやすくすることが目的です。
つまり、相手のケースがすでに弱い場合、時間をかけて死体蹴りする必要はありません。
反論の優先順位ですが、
自分達のextensionに刺さる話→自分達と競っているチームの話→残りのチーム
という順番です。
Opening戦略
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戦略は大きく2パターン
1. Turf burning
turf burningとは、Openingから考えられるargumentを全て出すことです。
例えば、
THBT the language of instruction in all primary and secondary education in all African countries should be in English.
このモーションで出せる話は、教育の利益、アフリカのコミュニティ統合、外交の利益・国家間の紛争解決、アフリカ大陸全体でのアイデンティティの変化など様々なargumentがあります。
これらのargumentを全部Openingから出してしまって、Closingがhorizontal extensionできないようにするのがturf burningです。
デメリットは、1つ1つのargumentに割く時間が少なくなり、中途半端なargumentをClosingから詰められる可能性があります。
2. 1個の話を詰める
THBT the language of instruction in all primary and secondary education in all African countries should be in English.
さっきのモーション、色々な話ができますが、1, 2個のargumentを詰める戦略です。
時間に余裕がある分、framingやweighingでなぜ自分達のargumentが一番重要なのか、を丁寧に説明できます。
Closingとしては、Horizontal extensionを出しやすいですが、Openingのweighingを潰した上でextension比較に持ち込まないといけないので、勝つのが難しくなります。
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15分プレパなんて無理???
正直プレパの時間短縮は慣れや練習が一番ですが、どのようにプレパすべきかを簡潔に書いておきます。
イメージとしては時間配分は
各自brainstorming(3-5分) → 戦略を決める (7分) → ケース書く時間(3-5分)
といった感じですかね。
ケース書きながら話せるのであれば、もう少し戦略に10分くらい時間をかけてもいいかもしれません。
戦略の話し合いの段階では、ケースの中身まで話しているとキリがないので、burdenまで話すので留めておくと良いと思います。ただ、証明が難しいケースの場合、細かい分析も2人で話し合う方が良いです。
また、BPはかなり戦略ゲー要素が強いので、できるだけケースを書く時間を短縮する必要があります。
よく使う単語の省略(counterfactual→CF など)や典型的なargumentをストックしておくことが重要です。
例えば、
国営化 vs 民営化(nationalisation vs privatisation)
宗教が良い vs 悪い(religion good vs religion bad)
などよく出てくる話は、頭使わずにその場でパッと3-5つ理由が思いつくようにできるとGood!
戦略もある程度はパターン化できます。
narrative motionならcharacterisationが重要だから、characterisationの正当化に時間を割く
art motionならart productionとart consumptionの2つのベクトルに分けて考えてみる
など完璧ではないものの、時間の節約はできます。
〜Part 4に続く〜
BP戦略 Part 2 (UTDS合宿用資料)
BP戦略 Part2です。
ここからちょっと難しめ!
Extensionのパターン紹介
Extensionのパターンなんて無限にありますが、あるあるのパターンを知っておくだけでも引き出しが増やせると思うので、いくつか紹介します。
当然これが全部というわけではないので、自分で頑張って考えてみてね。
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パターン1 characterisationの正当化extension
Narrative motionとかreligion motionとか、いわゆるsoft motionの場合、必ずcharacterisationでclashが発生します。
以下、2つ例を挙げておきます。
For the purpose of this debate, "cut-off culture" refers to the social phenomenon
of figuratively cutting people out of one's life. Anyone from acquaintances to
significant figures which may include, but are not limited to, close friends and
family members are capable of being cut-off from one's life. This act is most
commonly, though not exclusively, done at or after the point of conflict/tension
within a relationship.
This house regrets the rise of "cut-off culture" (Tokyo IV 2023 R2)
Govに有利なcharacterisation:
大事な友人関係や家族との関係など、大切な人間関係をcut offする!
Oppに有利なcharacterisation:
Abusive relationshipなど、悪い人間関係をcut offする!
For the purpose of this debate, "fitting in" refers to conforming to norms which are typically associated to career paths and behavioural standards including but not limited to; opting for more conventional and stable careers, and assimilating to majority culture.
This house supports the norm of "fitting in" (Kyushu Debate Open 2024 GF)
Govに有利なcharacterisation:
fit inするのは簡単!(→大半の人がfit inできて、community等のbenefit受けれる)
Oppに有利なcharacterisation:
fit inするのは難しい!(→大半の人はfit inできないので、normがpressureになる)
こういうcharacterisationでclashが発生するディベートでは、characterisationのclashに勝つことが最重要です。
なぜなら、characterisationがGov, Oppそれぞれのargumentの説得性の土台だからです!
例えば、fitting in motionで、Govからcommunityに属すことのbenefitを語ったとしても、これは前述のcharacterisationに依存します。
大抵の場合、Gov, Oppに有利なcharacterisation両者は現実的なシナリオです。重要なのは、どっちのcharacterisationの方が*more likely*なのかを示すことです。
余談:QDO GFでは、CGが" Why the standard to which ppl fit in is likely to be average and reasonable", COが"Why the standard to which ppl fit in is likely to be exceptionally difficult and hard to attain"という話をして、このclashに勝ったCOが優勝してました。
参考にExtensionではないですが、この音源のDPM(3:31:07〜)を聞いてみてください。
まじで上手く、characterisationの正当化をしてます。
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パターン2 相手のゴールを盗むextension
相手チームが重要な話をしている場合、それをflipするextensionを出すと強いです。
この音源では、OOが明らかに強い話をしていて、CGはOOをflipしようとしています。優勝はOOですが、相手の強い話をflipする戦略もケースもかなり強いです。
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パターン3 incentive vs capacity
これは例を見た方が早いので、具体例を挙げます。
The cult of productivity refers to a set of norms where being continuously productive and busy in both your professional and personal life is seen as desirable and virtuous.
This house supports the cult of productivity.
(HWS RR 2021 R3)
Govで、皆の生産性が上がってhappy!と言う場合、2通りの説明方法があります。
1) Ppl now want to be productive. (incentive)
ダラダラしないで真面目に勉強したり、MBAとか資格取ろうとしたり、筋トレしたり、自己研鑽する、という話です。
2) Ppl now find it easier to be productive. (capacity)
Productivity appとかNotion使った作業効率爆上げ方法解説YouTubeとかMBAセミナーとか筋トレレッスン充実化とか、生産性を上げるのが簡単になるという話です。
どんなOGでも多分1つ目の話は出てくるはずです。とすると、CGなら2つ目の話をプレパ段階でextension候補として準備しておけるはず。
このモーションでcapacityの話をextensionに出す場合、以下のように戦略的重要性を示せるはず:
- ぶっちゃけ人々がダラダラするのは人間の根本的な本質で、たかがnormごときで本質は変わらない = incentiveの話はほぼsymmetricなので、capacityの変化の方が大事
- おそらく平均的なラウンドならOG: ppl become productive! great! OO: ppl feel too much pressure to be productive! bad! という構図になるはずです。その場合、OGケースが成立するためにはcapacityの説明が必要不可欠、OOケースが成立しないためにもcapacityの説明が必要不可欠、という関係になっています。なので、capacityの話は、OGの話を埋めつつ、OOへの反論にもなっています。一石二鳥。
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パターン4 mechanism強さ比較ゴリ押しextension
全く同じimpactだけど帰結が違う場合、
Openingが A, B, Cというメカニズム
Closingが D, E, Fというメカニズム
D, E, Fの方がA, B, Cより強いメカニズムだと示すことが必要になります。
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参考:Weighingの仕方
1. Scale (It applies to far more context)
2. Solvability (Can alternatives solve the mech?)
3. Logical contingency (Opening’s mech relies on some analysis)
4. Give credits to the opposing teams (They gave good responses to our opening. Our mech is immune from their responses)
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ただし、要注意ですが、weighingはあくまで同程度のレベルのメカニズムを比較するツールです。自分たちのメカニズムがassertionに留まるならweighingしても無駄です。
例として、この音源のCGはOGと全く同じ話をしつつも、weighingして勝っています。
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パターン5 context変えるextension
例えば、contextを途上国やminorityに絞ったextensionを出す人がいますが、このようなextensionを出す場合は要注意です。
例えば、このモーション、
THBT states should discourage the concentration of their country's economic and political power into a single city.
日本の東京一極集中やイギリスのロンドンの話をするよりもナイジェリアのラゴスとかインドのムンバイとかの話をした方がいいですよね。
ただし、途上国のcontextの話をしようという心意気はいいのですが、contextを絞ると一般的な話より弱くなります。
OGが一極集中の一般的なharmを話した後に、CGから途上国だけに当てはまる話をされても、OGの話は途上国でも先進国でも当てはまる話だからOGの方が上となってしまいます。
なので、1) OGの一般的なメカニズムでは不十分である理由 2) 途上国のextensionによるimpactの方がOGより大きい という2つを説明する必要があります。
1)を飛ばす人が多すぎるので、要注意です。
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パターン6 解像度爆上げextension
以前、mechanismとassertionの違いは何か?と聞かれたことがあります。
違いは、説明の解像度が直感的に納得できる程度か否か、です。
例えば、以下の例で考えてみます。
Protests lead to violence.
- この説明ではまだassertionです。
Protests often arise from deep-seated grievances and emotions already run high. The stress of a high-stakes situation, combined with the adrenaline of large crowds, can also lead to impulsive and aggressive behaviour. Even small provocations or confrontations can escalate into violence. Once violence begins, it can create a cycle of retaliation and escalation. The initial act of violence can lead to further aggression.
- これなら直感的に納得できますよね。mechanismとして立っています。
同様に、Openingの段階でassertionで終わっている場合、Closingから全く同じ話をmechanismに昇華することは立派なextensionです。
この場合、
The extent of OG explanation is a one-liner assertion that protests lead to violence. From CG, we will mechanise how protests lead to violence.
といった感じで、1) Openingの説明が不十分な理由 2) mechanism の2つを説明することになります。
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パターン7 Framingを変えたextension
framingを変えて、ディベートの中身を完全に変えるextensionがあります。
例えば、このモーション。
THW proportionately subsidise (e.g. scholarship and funding) university courses according to the employability of their graduates.
OG: 就職率上げる学科(理系とかCSとか経済学とか法律)good!
OO: 仕事と無関係な学科(哲学とか)good!
Openingが抜かしているframingを考えてみてね。(ヒントはsubsidise)
〜Part 3に続く〜
BP戦略 Part 1 (UTDS合宿用資料)
UTDS合宿用資料です。
夏セミンゴリスペクトで、ブログ形式にしました。
量が多いので、3部構成にしてあります。
Part 1 (基本) → Part 2, 3 (応用) → Part 4 (実践)的な感じです。
BP戦略の考え方
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1位を必ず取る必要はない!
予選なら2位や3位でも大抵の場合耐えます。4位ドボンを避けることが何より重要です。決勝トーナメント(決勝以外)なら全力で2位以上を確保することが重要です。
当たり前の話をしているように聞こえますが、この意識はすごく重要です。
どうしても1位や2位を取ることが難しい局面は出てきます。
例えば、COだったとして
OOが圧倒的に強い → Govへの反論に時間を割く
モーションバランスがOpening向き → CGを倒すことに注力して4位回避
というように、モーションバランスやチームの強さによって、立ち回りが変わります。
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Closingチームがいる
当たり前の話その2 ですが、BPとそれ以外のフォーマットの決定的な違いはClosingの有無です。
Closingチームがいるため、Openingでは3 vs 3とは違う戦略が求められます。具体的な違いはこんな感じ:
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BPのOpening |
3 vs 3 |
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広く浅くばら撒く方が良い |
深く詰まった話をする方が良い |
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反論の重要性は相対的に低下 |
相手への反論が重要 |
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FramingやCharacterisationによって「自分達の話が一番大事!」と説明すべき |
「自分達の話は、最低限相手の話より大事」と示すだけで十分 |
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プレパ時間が短い
当たり前の話その3。15分しかプレパがないです。対面だと移動も含めると12, 3分。
プレパでどういう動きをするかがとても重要です(後述)。
Extensionの考え方
Extensionには2種類あります。
Vertical extension (縦)と Horizontal extension (横)の2つです。
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Vertical extension vs Horizontal extension
Vertical extensionはargumentを縦にextendします。「縦に伸ばす=議論の中身・質を上げる」だと思ってください。
Horizontal extensionはargumentを横にextendします。「横に伸ばす=新しい議論をする」だと思ってください。
具体的に説明します。
THBT developing countries should require citizens to work in their home country for a certain period of time after graduating from university. (Icho Cup 2024 R1)
このモーションで、OGが以下の話をしたとします。
OG:
大学を卒業した人は専門技術・知識を持っている→彼らを自国に残らせることで経済発展につながる
CGから
Vertical extension:
この政策を取らないと、殆どの大卒の人は海外で働いてしまう→Oppでは経済発展が起こらない
OGと同じ経済発展のargumentですが、OGはGovの世界で経済発展が起きると説明しているだけで、Oppの世界で経済発展が起きないことは証明していませんよね。
Horizontal extension:
大学に行けるのは政府による資金援助・インフラ提供のおかげ→国への滞在を強制することは正当化される
経済発展とは全く別の、principleの話をしています。
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モーションの分析をする!
世の中には、ぶっちゃけ強いargumentが1つか2つしかないモーションが多数存在します。逆も然りで、大量のargumentが存在するモーションもあります。
Vertical extensionをするか、Horizontal extensionをするか決めるために、プレパ中にどっちのタイプのモーションかを見極める必要があります。
TH prefers a world where people cannot lie
→ 嘘をつく場面、嘘の種類は沢山あるので、色んな話がありそう → Horizontal を考えてみる
In a tightly contested election, THBT political candidates from historically disenfranchised groups (i.e. Non-cismale, racial minority groups) should emphasize their minority backgrounds (race, gender identity, etc) over majority identities (i.e. national identities, etc) (KIDA 2024 R1)
→ 選挙に勝つことが明らかに一番大事 → Verticalを考えてみる
In post-conflict states, THBT public housing should forcibly integrate people of different ethnicities and religions. (UADC 2024 R6)
→ 民族紛争・対立を減らすのが一番大事そう → Verticalを考えてみる
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ArgumentのBurdenを意識すべし!
Burden とは、要は証明すべきことリストです。
例えば、前述のモーション、
THBT developing countries should require citizens to work in their home country for a certain period of time after graduating from university. (Icho Cup 2024 R1)
このGovで、経済発展につながる!と証明したい場合、以下のburdenが存在します。
Burden 1:
Oppの世界で、多くの大学卒業生が自国で働かず、海外へ行ってしまう
Burden 2:
Govでは大学卒業生が自国で働く (これは自明なので証明不要)
Burden 3:
大学卒業生が働けば経済発展に貢献する
こういう感じで、「Xが起こる」と証明するために論理的に必要なことがburdenです。
では、なぜBurdenが重要なのか?
とりわけVertical extensionを出す場合、「Openingが何を証明できていて、何を証明できていないか」を把握する必要があります。このとき、予めburdenをリストアップしておけば、ラウンド中にチェックリストとして使えますよね。
同様に、Openingの場合、ClosingにExtensionを残さないために、必要なburden全てを証明しきることが重要です。Argumentの方向性を決めて、そのまま中身を考える人がいますが、そうするとcounterfactualの説明が抜けたり、Premiseが抜けたり、といったことに気づけません。
必ずargumentのburdenを考える!
大事なので、もう一回。必ずargumentのburdenを考える!
〜Part 2へ続く〜
音源紹介⑨ 〜解像度が神なスピーチ〜
知識に富んで、頭良く見えるスピーチってすごく真似したいですよね。
今回は、苦手な人が多いFinance motionの音源!
Motion: This House Regrets the mass deregulation of the Financial Sector
このOG vs OOはすごい良いディベート
まず前提として、よく使われるargumentを見ておきます。
金融セクターにregulationするとどうなるか?
まず、成長は鈍化します。銀行がお金を貸しづらくなれば、経済に循環するお金の量は減るので当然ですよね。
同時に、経済危機のリスクは減少します。リーマンショックが起こったのも、金融機関が無責任な投機的行為を行った結果です。regulationによって危機のリスクは減りますね。
なので、こういうディベートのclashは、
Economic growth vs Economic crisis
の対立軸になります。
メカニズムをstockしたい方はこのMOとか見ると良いと思います。
2021 NAUDC Semifinals - North American University Debating Championship - YouTube
このPMスピーチ、普通のディベーターがケースを立てるとすると、deregulationのせいで金融危機が起こるgeneralなメカニズムを述べて終わりになりますよね。これだと頑張ってもせいぜい80-82点スピーチ。
一歩先のスピーチを見てみましょう。
ということで、この音源のPMスピーチを見ましょう。
最初に、deregulationの結果、金融機関がどのような投資をしていたかを述べています。
・incompetent and unaccountable credit ratings over large tranches of loans that created the subprime mortgage crisis
・loans both internationally and domestically being bundled together under the illusion that diversity creates safety but in reality not recognising that bundling together very similar loans means that you are pooling risk
・products which are simply so complex that even to this day regulators are still trying to trace the full economic effects
で、こういうriskyな投資をしていた結果、
Lack of confidence in financial institutions spreads, not just to the financial sector, but also to the entire economy.
金融機関の信頼が揺らぐと、例えば、人々が一斉に銀行に駆け込んで銀行が倒産してしまいます。
念の為、補足しておきますが、銀行は預金の大部分を投資に使います。企業への融資、金融マーケットへの投資、家計のmortgageなど。つまり、銀行は平常時、預金のわずか一部のお金しか持っていません。一気に人々が預金を引き出そうとすると、お金が足りなくて破綻する、というのが、若干単純化しすぎましたが、銀行破綻のメカニズムです。
ここまでは普通の話しかしていません。すごいのはここから!
03:06辺りから相手のメインケースを潰しにpreemptionしています。
"They're gonna say that these harms were worth it because on net loans were made and those loans were necessary to lubricate global economy"って言ってる箇所ですね。前述の通り、相手のメインケースは経済成長です。
3つの種類のloanが存在する。
1) loans that are unproductive gambles - they don't actually create real values in the economy. These are things like options of futures or shorting on shares that extremely rich individuals can use to make gambles and bets on the likely prospects of an economy.
要は投機的で付加価値を生まない金融商品です。
2) loans that propped up bubbles - investments which look like they could increase forever like houses. I will buy one today so that in the future the price will go up and I can sell it and turn it for a higher amount of profit. But of course lots of these things were not responsive to actual market supply and demand.
所謂Mortage Backed Securitiesとかです。不動産。
3) legitimate loans like college student loans
まともな金融商品。
この分け方がめちゃめちゃ分かりやすい。
ここで、GovがOppに勝つための戦略について考えます。
Oppとしては、deregulationによって3の金融商品が増えた!やったね!と言いたい。Govとしては1と2が大半の商品だったので、経済成長とかGDPの増加とか殆ど実態を伴っていない!と言いたい。
そこで、スピーチでは、3の商品のimpactが殆どないと説明されています。
3の金融商品を扱う機関は仮にあったとしても、1と2も扱ってるので、1と2のせいで経済危機が起きたら3まで巻き込まれちゃうということですね。そもそも経済危機で仕事失ったら3のloan返済すら無理です。
これで十分にも思えますが、さらにダメ押し
1) deregulationによりgainを得たのは富裕層。lossを食らったのは大多数のmiddle classと貧困層。
2) public debtが増加したことで、bail outはあまり出来なかった
3) deregulation下で経済が成長していたのは、opening of the Chinese market, technological development, the end of Cold Warとかreal economyの成長によるものだ
4) rise of xenophobia
4はあっても良いけど要らんと思う。
1はOppから出てくるであろうeconomic growthへのweighing。これはとても上手い。
2はOppの「経済危機起きてもbail outすれば解決するでしょ」的な反論を事前に反論。ただpublic debtが高かったのは事実だけど、アメリカ政府とかめっちゃbail outしてたし、ちょっと証明し切れてない。
3は、とても上手い。Oppのeconomic growthケースの証明責任をめちゃめちゃ上げている。因果性と相関性の違いを指摘しただけっちゃだけだが、deregulation下でめっちゃ経済成長してたというintuitionを潰している。Oppは、financial deregulationがあったからこそ、経済が成長したと示さなければいけないので、正直大変。
このPMスピーチ、とっっっても上手いんですけど、なんといっても、3 types of loansって分けて、メカニズムの解像度を100倍上げているところが上手い。
このPMスピーチの後で、例えば、Banks can lend more money to companies, and therefore economy grows的なgeneralな話をされても一切説得性ないですよね。
スピーチの解像度!練習する時、気にかけてみてね。
音源紹介⑧ 〜大枠のframingで勝負〜
今回はあんまり存在感のない2019年のワールズの音源を見ていきます。
このQFのOpening 2チームはめっちゃ上手い。
Motion: This House supports a norm of embracing anger in public discourse rather than one of aspiring to dispassionate objectivity.
これのPMを見ていきましょう。
1. Embracing anger is necessary to allow the oppressed to have their say
Premise: there are many good reasons for why people get angry
この最初のframing、いいですね。
政治とか社会に対するangerという感情はGovでもOppでもあるんだけど、Govの世界ではそれをvoice outできて、Oppの世界では無理矢理我慢させられるっていう比較に持ち込んでいます。
これだけでもだいぶGovの世界の方がよくね?と思えますよね。このframingは、1つ目のargumentだけではなく、2つ目のextremismのargumentの前提にもなっています。
そして、Minorityはangerでしかvoice outできないという話をしています。
一個一個のメカニズムの説明が必要最小限に抑えられててコスパがすごい。EPL感。
次に出てくるframingがOOとの関係で大事になります。3:16 あたりのところ。
selective application of tha narrative という話をしています。
Oppの世界では
When minority raise their concern, they are seen as violent and pushed aside.
By contrast, when the majority gets angry, their anger gets accepted (e.g. Trump).
このframingによって、
Oppではmajorityはangerを表現できるけどminorityはangerを表現できない。
Govでは、angerをembraceすることによってminorityもangerを表現できる。
PMが言っているのはこういうことですね。
なぜここまでこのframingを強調しているかというと、OOの考える比較軸と違うからです。
LOの最初の方で触れられています。(かなり説明の仕方が分かりづらいですが)
OOとしては、angerをembraceすると、Majorityがangerを表現しやすくなるだけでかえってもっと差別増えるやん!ということです。
なので、OG vs OOでどっちの世界の方がminorityを救えるかを考えるときに、細かいロジックで勝負が決まるのではなく、どっちのframingがより正しいのか、で勝負が決まります。
このディベートのDLO(YouTube上は削除されている)がFacebook上でディベート史上1、2を争うくらい良いスピーチと言われていますが、OOのframingの方が正しいと示してOGをボコボコにしていました。
2つ目のargumentはextremismの話も、どのみち政治や社会への不満は溜まっているからこそ表現した方がいいという話なので、最初のargumentと同じようなロジックですね。
3つ目のargumentは政治家の中でもっとminorityが増えるって話です。これは1つ目のargumentを違うimpactにして言い直した感がすごい。
ということで、このディベートにおいては、細かいロジックとかイラストで勝負が決まるのではなく、前述の大枠のframingによってどちらが勝つのかが決まります。メカニズム量産することに頭を使わずに大枠で勝てるスピーチをしたいですね。
このQF、DPMまではOGが勝ってるんだけど、DLOで全部ひっくり返されるって感じです。DLO録音公開してくれええ